夫婦ですが何か?Ⅱ





別にその内容に深く切りこみたいわけでもない。


ただ自分への投げかけに対して同等の内容をつきだしただけ。


なのに彼と言えば複雑に表情を動かしてどこか迷うなグリーンアイを私に向けてくる。


だからこそ先手。



「何やら葛藤していらっしゃるようなので、前もって言っておきますが。・・・・別に私はあなたの過去にあなた程興味は抱いておりませんので」


「・・・それ、何か逆にショック」


「『あなた程』とつけたでしょう。無関心ではなく取り急ぎ聞きだしたい内容じゃないという事です」


「・・・じゃあ、興味はある?」


「そうですね。・・・・自分を追い詰めるような危惧する事態に陥った時には容赦なく追及するとしましょうか」


「・・・・・なんか恐い」


「そう言う事態を招かねばいいだけでは?」



それとも招く懸念でも?


そんな風にニッと微笑んでの疑問を向ければ。


心で呟こうが自分に都合の悪い言葉はしっかりと読み取っている彼が首を横に振ってその目を逸らした。


それを確認し視線を食事に戻し、自分の作り上げた朝食を一口。



「・・・大丈夫ですよ」


「・・・・」


「過去のあなたがどんな人間であろうと、少なくとも私が知りあってからのあなたで私は測って傍にいるんです」


「・・・うん、」


「分かってます?あなたに感じていた当初の感情からすればこうして向き合って食事をすることの方が奇跡に近いんですよ?見放すタイミングならいくらでもあった人格破綻者の上司。それ以上の過去があなたにあるとは思えませんが?」


「・・フッ・・・俺ってどんだけ悪印象だった?」


「それこそ言いだしたら24時間なんてあっという間です」


「うーわー、ストレス過多で倒れなくてよかったぁ」


「そんな濃密すぎる日々の記憶だけで私は充分ですから。今更過去を知ってどうにもならない事態に更にストレス重ねるなんてごめんですね」



食事の合間に淡々と言葉を弾いて、綺麗に食器を空にすると両手を合わせ食事の終了。


終始苦笑い、でもどこか楽し気に私の言葉を聞き入れていた彼も静かに流しこむように味噌汁を飲み切ると手を合わせる。


休日の朝食の終了だ。

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