夫婦ですが何か?Ⅱ
どうやら笑っては失礼だと堪えているような姿に人の良さを感じ、確認するように孝太郎を見つめれば。
「拓篤さん、別に笑っても怒ったりしないから」
「っ・・ははっ、うん・・・ごめんね?2人の会話なんか面白くて・・・地味にツボに入っちゃって・・・」
「そう?なんか愉快な事言った?」
「だ、だって・・・ワ○メちゃんって・・・プッ・・・」
どうやら思いだして口にするのも笑いを引き起こすらしい俺と孝太郎の会話。
口元を手の甲で隠しながらなんとか笑いを収めている姿に拾い上げた本をそっと差し出すと、スッと顔を上げたその人と視線が絡んだ。
直後に何か恍惚と目を輝かせた彼に疑問の眼差しを向けていれば。
「凄い・・・」
「・・・・何がですか?」
「凄い・・・君すっごくカッコイイね。わぁ、なんかゲームのイケメンキャラみたいだぁ!!このグリーンアイってカラコン?」
「・・・・一応自前です」
「えっえっ?ハーフ??」
「いや・・・・かなりうっすく混血ですけど」
「うわぁ、すごいねぇ」
満面の笑みと興奮。
今にも両手を掴まれそうな程感動を示す彼にどう反応したら正解なのか真剣に迷う。
いや、こういう反応をした人間は多数いた。
ただ今まではそれらすべてが女性だっただけで。
だからこそ今面している列記とした男性であるこの人のこの反応をどう解釈していいのか判断に迷い、咄嗟に打ち出した答えを音にする。
「えと・・・残念ながらノーマルです」
「えっ?ああ、ははは、僕もノーマルです。まぁ、若干アブノーマルな趣味の世界を持っているって自認はしてるけど」
言いながら眉尻下げて自分の不備で散らばった本をチラリ確認する姿。
確かに趣味で読む範囲にしては膨大すぎる量だと視界に捉えた範囲で感じる。
でも対峙するその人は一見普通の人あたり良さそうな男性で。
身なりも普通、ださくもないし際立ったオシャレでもない。
その表情は俺がこの数分で捉えた限りは控えめに、でも嫌味じゃない笑みを浮かべているか今さっき見たく興奮した嬉々とした表情。
自分の趣味に引け目を感じているわけでもなく、堂々として会話に出すところに何か好感を感じた。
ああ、
うん、
何で孝太郎とこの人が?って一瞬は思ったけど理解した。
この人・・・・めちゃくちゃ良い人だ。