夫婦ですが何か?Ⅱ
「なんか・・・安心した」
「ん?何が?」
「いえ・・・最近ちょっとばかり近隣関係のトラブル続きで疑心暗鬼だったんですが・・・・あなたは良い人そうなので」
「・・・・・世に言うオタクに入ると思うよ?」
「でも・・・一般常識は念頭に置いてのそれみたいだし」
自分の独特な趣味の一部を捉えながら苦笑いで俺に言葉を返すその人に、すでに警戒心なくニッと微笑むと自分の手を差し出して。
俺の目と手、向後に視線走らせたその人が意図を理解するとにっこり柔らかく微笑んで手を絡めた。
「どうも、隣人の大道寺 茜です」
「ははっ・・・名前も何かのキャラみたいに華やか~。僕はね佐々木 拓篤・・・超普通の響きでしょ?」
「普通最高っす。俺の周りって異常な人多いから」
「ああ、ごめんね?訂正すると・・・・俺も異常に含まれるのかな?」
思わずその言葉に吹き出して、『確かに』と納得の声をあげたのに。
一瞬気を悪くするかと懸念した彼は穏やかにクスクスと笑って受け入れる。
ああ、なんか・・・・この人の感じ和むな。
俺は正直本当の初対面でこんな風に他人に気を許すことはない。
気になった人間は程よく観察してから関係を持っていると思う。
だからこんな見たのも初めてなのに自然と会話出来る感覚に、不思議に思うのに居心地が良くて。
今まで自分の周りにはいなかったタイプだとしみじみ思う。
だって・・・、
多分この人・・・。
裏とか絶対に無い人だ。
悪い事とかできない上に嘘とか絶対に顔に出る。
そういう人だからなのか逆にふざけた意地悪も出来なくて、ただただ良心的に直面して対応してしまう。
ある意味才能。
この人となら問題なくやっていけそうだなぁ。なんてしみじみ感じてお互いにニコニコと向き合っていれば。
「・・・・・おい、大の男が白昼仲良さげに手絡ませてニコニコしてるの見て満たされるのは・・・・腐女子くらいだぞ」
「ええっ、僕ってそっちっぽい!?おかしいなぁ、凄く女の子大好きだよ!!」
「拓篤さんの場合は二次元の美少女の方がでしょ?それにどっちが『っぽい』かって言えば茜のがそれっぽい」
「ええっ!?俺ぇ!?」
「だって無駄に女顔の美男子だし・・・絵になるよなそっち系でも」
「なりたくねぇよ!俺超女の子大好きだし!!」
白昼・・・なんて宣言をさせてくれるんだこの男。