夫婦ですが何か?Ⅱ





「ああ、ごめんね・・・・、なんか思いだしたら次から次へと走馬灯のように・・・」


「確かに昇天しそうなくらい恍惚としてたよ拓篤さん」


「彼女に関してはさ、良い思い出ばっかだから・・・・。でも・・・今はどうしてるんだろうなぁ・・・」


「・・・・連絡取ってないの?」


「あ・・・うん・・・、何度か・・会いたくて電話しようと思ったんだけど・・・・結局勇気出なくて・・・・」


「何で?」


「一回外で見かけた時にさ・・・彼女元彼と一緒だったから・・・、元々仲良かったし・・・・またつきあってるのかなぁ?って思ったら確認するの恐くて・・・・」



ヘタレなんだよ。


そう言ったのは拓篤さんで。


また哀愁漂う苦笑いでの一言。


でも瞬時に理解したのは拓篤さんは【後悔】しているって事。


別れた事というよりはその後連絡できなかった自分に。


でも、その感覚は少し・・・・いや、かなり分かっちゃうよ拓篤さん。


そうして回想するのは自分自身の苦い苦い記憶の時間。




俺も・・・・・その勇気に踏み出すのには苦労したから。




思い返せば表情も歪みそうな記憶。


今こうして幸せを勝ち取っていてもそれだけあの瞬間の傷が大きくて、後遺症として存在しているって事。


そんな自分に嘲笑を心でして、気持ちを切り替えるようにようやくポケットから鍵を取り出した。



「写真・・・」


「ん?」


「その彼女の写真無いの?」


「ああ・・・・、多分・・・ある」


「後で見せてよ。部屋が片付いたらでいいから」


「あああ~・・・・ああうん・・・・」


「・・・・・・何その反応・・・」


「いや・・・あるにはあるんだけど・・・・見せていいものか・・・」


「・・・・・ごめん、逆に興味わいちゃうよその反応」



手で口元を覆いながら複雑な表情で判断に迷っている拓篤さんを捉え、躊躇う様な内容の写真に好奇心が疼いて仕方ない。


これだけ迷うって事はエロイそれではないだろうけど、結構際どい写真なんだろう。


コスプレとかコスプレとか・・・・。


期待に満ちた眼差しで催促すれば、未だ複雑な笑みで唸って腕を組む姿。

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