夫婦ですが何か?Ⅱ
息が切れる。
発熱している肌が汗で滑って、
長く乱れた髪が頬に張り付いて。
息苦しいのそれを強めるようにしっとりと唇を重ねる。
だけども激しい情事は余韻ばかり残した事後で、今はただお互いの熱をゆっくり下げるが為に肌を合わせているに過ぎない。
座っている彼に跨るように乗って、まだ繋がり持つ部分は今も痺れるような余韻に満ちていて。
目線下にある彼を愛でるように甘えるように口づけをしばらくかわしてゆっくりと離した。
でもすぐに唇の代わりに額を寄せて。
「・・・・落ち着いた?色々と不満募っていたハニー」
「・・・程よく。・・・でも瞬間的に解消しても現実問題隣人事情は変わりませんが・・・・」
「まぁ・・・毎日顔合わすでもなし・・・・、イライラしないでよ。帰って早々毎日こんな風にハードな時間に持ち込まれたら身が持たないよ」
「私の【可愛さ】による滋養強壮もたかが知れてますね。あなたに毎晩でも挑みたいという感情を引き起こす事も出来ないんですから」
フッと皮肉に口の端を上げると密着していた肌を離し腰を上げ始める。
当然瞬時にその身を引き止めるように抱きしめてきた彼が、そのままゆっくりと私をベッドに縫い付けて柔らかいけれど濃密な口づけを落としてきた。
でも継続するそれではなく名残惜しそうにチュッと離れると困ったように私を見下ろし微笑む姿。
「・・・・体でも鍛えようかな」
「何ですか?いきなり・・・」
「だって、挑みたいって気持ちに反して体力がなかなかついてこないんだよ」
「まだ男盛りな28が・・・何をジジクサイ・・・」
「大変なんですよ?貪欲な奥様を満足させるって・・・。しかも・・・・仕事後に」
「じゃあ、ランニングでもしーーー」
「・・・・千麻ちゃん?」
『ランニングでもしたらどうですか?』
そう言葉を続けようとして比較に浮かべたのはもう一人の隣人の姿で。
思い浮かべた瞬間に忘れていた疑念も浮上して言葉が詰まった。
そうだった。
まだ解決していない問題。
あれは・・・私の見間違いだったのだろうか。
もしそうであっても何故我が家の郵便受けを?
「・・・・千麻ちゃん?おーい?」
「・・・・・すみません。・・・考え事を、」
「ん?俺以外の男の事じゃなきゃ許すけど」
「・・・・・」
「何故黙る・・・」
思いっきりあなた以外の男の事だからです。