夫婦ですが何か?Ⅱ





「・・・・・仲・・・いいのね」



不意に響いた声に軽くその存在を忘れていたとビクリと体が反応した。


意識し視線走らせ捉えた姿はこちらに視線を向けるでもなく、いつの間にか愛娘とリビングの中央で遊んでいる。


しまった。


一応客人である存在を忘れて放置してしまった失態に嫌な感じに焦って、一瞬何を優先させて動くべきか見失う。



「えっと・・・・、何か飲まれますか?」


「・・・・・・・炭酸水とライム・・・多分・・・冷蔵庫にあるでしょう?」


「・・・・・・・・・はい、」


「それ・・・・貰ってもいい?」


「今用意しますね」



まずは飲み物を。


そんな感覚でお茶でも入れようかとカップに手を伸ばしながら確認した声に、静かに返された我が家の冷蔵庫事情。


確かに・・・・確かに炭酸水とレモンやライムは常備されている。


それは私が住むよりも前からの常備。


彼の趣向。


それを知っていると示しての確認の言葉に再び嫌な感じに胸の内が動いてソワソワする。


伸ばしていた手をカップからグラスに変更すると、氷を投入し炭酸水を流しこむ。


ライムを切ってマドラーを用意しかけた瞬間に追ってかけられた声。



「マドラーはいらない・・・」



気がつけばキッチンのカウンター越しに立っていた彼女が私の手にあるマドラーを見てから不必要だと告げ。


そんな彼女がそっとグラスを手にして私を見つめる。



「いただいても?」


「・・・・どうぞ、」



一応確認の声を響かせた彼女がグラスを自分の前に持っていくと、次いでライムを手にして慣れた手つきで炭酸水に絞っていく。


それを何の気なしに眺めて、拓篤の飲み物も用意しようかと思ったタイミング。


カランと氷のぶつかる音が響いて、シュワシュワと泡だつ飲料水が彼女の喉を潤す瞬間を思わず見つめた。


彼女を見つめたというより・・・。


飲み方を。


つい最近その飲み方に違和感を持って問いかけたかから印象に強い。


その飲み方・・・・美味しいんですか?


そんな眼差しで見つめて不動になって胸のざわつきだけが大きくなる。




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