夫婦ですが何か?Ⅱ
なんか・・・・嫌。
最近まで私でさえ意識していなかったその飲み方を、
彼と同じ飲み方を、
同じように慣れ親しんだ感じに飲む姿が何か・・・・嫌。
馬鹿みたいな嫉妬めいた思考。
すぐに自分をそう詰って、掻き消すように拓篤の分の飲み物を用意し始める。
「拓篤はアイスコーヒーで・・・ガムシロは半分だったわよね?」
「あ、うん・・・あっ、」
「ミルクも半分でしょ?」
「う、うんうん、ありがとう」
分かってる。
そんな感じにフッと笑って慣れた感じに拓篤好みのそれを作り上げている最中。
「・・・・・・・・・ねぇ、」
「・・・・はい、」
「・・・・・2人って・・・どういう関係?」
「・・・・・」
投げかけられた問い。
その言葉を投げた口はすぐにあの独特な味であろう炭酸水を口に運んでいて。
独特な・・・酸っぱかったり淡泊だったり・・・。
ああ、彼女その物の様だと一瞬感じる。
「・・・・親しい知人とでも言いましょうか。・・・最近偶然にも隣室になったので」
「ああ・・・・成程・・・・・」
納得。
そんな感じに私から拓篤に視線を走らせた彼女が再びグラスの中身を飲み込む。
どこか緊張した問いかけを流したと、自分も拓篤も一瞬抱いた緊張を解除したタイミングだと思う。
「元彼か不倫かと思った・・・・・」
「・・・・」
「仲・・・いいし?」
「・・・・・・・・・・・知人・・ですから」
『仲がいい』
それを示して私が作り上げていた拓篤のコーヒーをチラリと確認した彼女の薄紅の瞳。
確かに勝手知ったる感じに作り上げていた場面。
その親しさはそこから充分に理解できる物だっただろう。
一瞬心臓が壊れるほど強く跳ねて、何故か後ろめたい感情が発生した事に驚く。
何もやましい事なんてないのに。
それでも何故か『元彼』の部分を肯定できずに『知人』で流して、誤魔化すように出来上がったコーヒーを拓篤に渡した。
拓篤も何となくぎこちなくそれを受け取って、微妙な緊張感継続のその場について行くのが必死だったのだと思う。
カランと氷を鳴らしながら中身を飲み込んで、必死に彼なりに話題を探してその言葉を弾きだした。