夫婦ですが何か?Ⅱ


















時間が立てばそれなりに関係緩和になり親しくなる。


・・・・紅さんと拓篤は。


あれから2時間程だろうか?


拓篤なりに気を遣いながらちょくちょく会話していく内に口数増えそれなりに会話をする2人をキッチンから眺める。


夕飯の準備と言う大義名分。


実際はどこかその場に入りこむのに抵抗あっての脱走。


代わりにあてがわれて接待している拓篤には申し訳ないと感じながらも、どうしても穏やかになれなくて。


集中力の欠如も働きいつもより手際も悪く調理を続ける。


そしてチラリと視線を走らせて、捉えた現状に目を細めた。


彼女に懐いて手を伸ばしている翠姫。


そして彼女も翠姫にだけは笑みを零して抱き上げるのだ。


まぁ・・・彼に似てますからね。


そんな嫌な悪態を心でついた瞬間に溜め息。


もう・・・本当に今の自分が嫌だ。


泣きたくなってくる程の自分の悪意に満ちた感情に悶絶して、誤魔化し飲みこむように近くにあった炭酸水をゴクゴクと流しこむ。



『ただい・・・・まぁ?』



不意に玄関から響いた帰宅の声。


その語尾に疑問が走ったのは玄関先にある見かけない靴の有無によってだろう。


そうしてリビングに向かってくる足音に反応してキッチンから身を出したと同時に彼と鉢合わせ。



「おっ、わぁ、ただいまハニー」


「おかえりなさい」



鉢合わせに一瞬驚きを見せた彼がすぐに満面の笑みを浮かべると、当たり前のように小柄な私を抱きしめて。


いつもであるなら詰って引き離すこともしばしば。


でも今の心中ではどこかその温もりや抱擁に安堵し、馴染みある香りに浸って目を閉じる。



「おお、千麻ちゃんから鉄拳の返事じゃない」


「ご希望なら、」


「鉄拳より甘ったるいキスがリクエストだなぁ。『おかえりダーリン・・・チュッ』的な」


「おかえりダーリン『バキッ』か『グサッ』なら在庫が・・・」


「それが千麻ちゃんの愛情表現なら喜んで受けようじゃない」


「・・・・M」



彼なりの決め顔で言いきった言葉に『呆れた』と眉を寄せつつ口の端を上げる。


いつもと何ら変わらない帰宅の場面。


でも、


非常識の介入。




「・・・・・茜、」




響いた声音に私に向いていた彼のグリーンアイが大きく揺れて。


その揺れを捉えた直後に瞬時に外され声の方へ移動する。


焦ったような、期待したような、歓喜したような。


そんな目だと・・・・つきあいで分かる。


その目が対象となる姿を捉えた瞬間に明確にその感情は最後の歓喜に満ちて染まって。


次の瞬間には私の横をすり抜けて動いた姿。


振り返った時には、




「紅ちゃん!!」




あ・・・・・。


なんか・・・・ドラマのワンシーン。


恋人同士の再会の場面の様だ。






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