夫婦ですが何か?Ⅱ
でも、的を得ているでしょう?
稀にみる希少価値ある物だから惹かれて欲するのが人の欲望。
常に手にはいる私ならきっとあなたは興味も示さない筈。
だからこそ目の前の姿を反応を肯定として、彼の首の後ろに腕を回すと密着する。
「・・・・駆け引きの為の、相手を惹きつける為の秘め事なら大目に見ましょう。
でも・・・それ以外には寛大になれる私じゃありませんから」
「痛い程分かってる」
噛まれた首筋を抑えながら彼が苦笑いで返すと唇を重ねてくる。
啄んで角度を変えて深まるキスに、その後の時間は必然。
どちらが負けるでもなく、無言の同意でベッドに沈んで中断していた時間に再燃し夜を更かした。
堕落した朝は素肌にシーツの感触が明確だ。
服を纏うのも気怠い程の濃密な夜の後は2人してそのまま睡魔に負けて。
こうして目覚めた瞬間の扇情的な朝の1シーン。
傍から見たら。
だろうけれど。
もうすでにありふれた日常である私の感覚では、ああ、また忘れて寝てしまった。くらいの感覚で。
特別夜の余韻感じて更ける感情もなく、するりとその身を出すとタイムラインにそった行動に動き出すのだ。
脱ぎすててあった衣服を拾い、とりあえずの着衣をそれで済まし眼鏡をかけると寝室を出た。
その流れで新聞を取りに歩き始め、さすがに脳裏に刻んだ記憶でくるりと方向転換。
慣れ親しんだパーカーのみの姿。
さすがに昨日の記憶はしっかりと刻まれ、しっかり応用利かすと素肌の足も衣服に包む。
そして、『これでどーだ?』と言わんばかりに眠っている彼を見つめてから寝室を後にした。
防御さえ整えば躊躇う事なくその身を出して、丁寧にも玄関に設置された新聞を手にするといつもの如くトップ面を確認する。
書いてあるのは消費税がどうとか、首相がどうとか、そんな代わり映えのしない政治の話ばかりで。
平和なんだかそうじゃないんだかはっきりしない国だと呆れた視線を流していると。
「・・・・おはようございます」
ああ、少し・・・忘れてた。
響いた声音も毎朝の事だというのに今日はわずかばかりに動揺が走る。
それでも表情動かさずに振り返ればランニング明けの隣人がいつもの様に無表情で自室のカギを開けこちらを見つめた。