夫婦ですが何か?Ⅱ
楽しそうな顔しちゃって。
私のヤキモチなんて軽く忘れた感じに、懐かしのお姉さまに夢中で。
嬉しくて嬉しくて・・・大好きで・・・・。
そんな感情ただ漏れで・・・・、
イライラするわ・・・ダーリン。
「茜、」
「っ・・・は・・い」
名前・・・呼んだだけなんですけど?
何故そんなにビクッと反応して苦笑いで私を見るのかしら?
別に特別変な言い方で呼んだわけじゃなく、今は本当に用があっての呼びかけであったのに。
呼ばれた瞬間に私の存在を思いだしたというところだろうか。
急に現実に引き戻されたかの様に作り上げた笑みでこちらを捉えての様子伺い。
その姿に逆に苛立ち強まり眉根を寄せて、でもすぐに離すと必要事項を優先で確認。
「・・・・お寿司・・・番号お願いします」
「えっ・・あっ・・、ほら、あそこだよ・・えっと、」
「店名・・・お願いします。私には【アレ、ソレ】で会話出来るほど把握してはおりませんので」
「っ・・・・えと・・・・【菊花】です・・・」
「・・・ああ、了解いたしました。特上4人前ですね。即刻注文の電話をいたしますので、お客様のおもてなしにどうぞご集中ください」
「・・・あ、あの・・・あと、・・・紅ちゃん【うに】食べれないから・・・」
「・・・・大トロにでも変更を?」
「いや、中トロ・・・です」
「・・・・・・よく・・・理解してるのねダーリン」
「な、長い付き合いで・・・」
フッと口の端は上げて方眉を下げる。
これはしっかりと嫌味を含めて口にすれば返されたのも純粋ではない笑顔。
お互いに感情に反した笑みを作って浮かべて、何とも言えない攻防戦。
だけども【良妻】。
その言葉を脳裏にこちらが優勢であるうちに切り上げ携帯を手に視線を外した。
名前さえ聞けば番号も知れて、自分の携帯にも登録済みの番号を呼び出し廊下で注文。
今程彼から受けた変更点もしっかりと加えての発注を終え、くるりと向きを変えるとあまり微笑ましくない空気感のリビングに足を向けた。
寿司が届くまでのつなぎでビールと何かつまみ的な物でも。
そんな事を考えながら舞い戻った自分の視界に入る光景と楽し気な声に頭が痛い。