夫婦ですが何か?Ⅱ
「何でしょうか?」
「ん?いやぁ・・・、紅ちゃんがフライト疲れもあってもう就寝希望なんですよ」
「ではお部屋にご案内されては?ああ、それとも・・・添い寝でも所望されて私に許可を取りたいとか言う流れでしょうか?」
「チッ・・・本当に絶好調だねぇ・・・嫌味」
「すみません。今までの流れから今後の推測を立てたら自然とそんな予測が立ったまでの話ですが?」
「・・・・・・自分だって、」
何よ?
含みある感じに言葉を弾いた彼は、笑みは浮かべていても不愉快だと節々に感じる。
言葉の対象としてチラリと拓篤を捉えた彼が非難するように目を細めて私を見下ろして。
その視線に負けじと挑むように見つめ上げての無言の攻防戦。
「あ、・・・あの・・・僕・・そろそろ帰ろうか・・な、」
多分下手な火傷をしないうちに退散すべきだと思ったのか、下手に今思いついたかの様な声を響かせた拓篤がそそくさと隣からその身を動かして。
その姿に瞬時に攻防戦を切り上げ後ろ姿追って自分の足を動かした。
「拓篤、待って」
「千麻ちゃーー」
「茜~」
ほぼ同時に3者の声がそれぞれ対象を別に向けて声を発して、同時に呼びかけてきた対象を振り返ったと思う。
拓篤は私を、私は彼を、彼は・・・背中に抱きついてきた紅さんを。
それを捉えた瞬間に私の視線はすぐに拓篤に戻ったけれど。
「茜・・・眠い~・・・」
「うんうん、部屋は客間の方使ってね」
「あっちの部屋恐いのに・・・・クローゼットから何か出てきそうな・・・・・・、添い寝してよ茜、」
「・・・紅ちゃん・・もう大人でしょ?それにディ〇ニー的なモンスターだったら可愛いじゃない」
そんなよく分からない説得を口にしながら、彼女を引き離して背中を押しながら部屋に誘導する姿。
自分の横を通り抜ける瞬間にチラリと走らせた視線が見事彼と絡んだから、『ほうら見ろ』と視線で訴え。
私の予測が当たった事にの悔しさか、純粋に嫌味な私にの苛立ちか。
不満げに目を細めた彼が言葉を返すわけでもなく通りすぎ客間に入室。
パタリと扉が閉まったのを見届けると、ようやく音明確に舌打ちを響かせ不満の微々たる解消を図った。