夫婦ですが何か?Ⅱ
そして、それを示すかのように腰を静かに滑る彼の指先。
「・・・・言わない?」
「・・・・・お気になさらず」
「ふぅん・・・、じゃあ、そんな話どうでもよくなる時間に持ち込んでいい?」
にっこりと笑った表情に決して純粋な好感は抱けず、むしろ反抗的に見つめ上げればそれすらも彼のご馳走。
有無を言わさずに噛みつく様に首筋に触れてきた彼の唇の熱、直後にチクリと走る馴染みある感覚。
また・・・そんな目立つ。
「・・・・っ・・困ります、」
「フッ・・・何がぁ?」
「・・・いい歳した女がつけている位置じゃーー」
「関係ない。ってか・・・困ればいいよ、千麻ちゃんも、これを見た相手も・・・」
言った唇がすぐにまた同じような感覚を少しずらした個所に刻んで。
どちらも明確。
その色も濃く、鏡を覗けばうんざりする筈。
また困るのだ。
どう隠せばいいのかと。
後々のその瞬間を分かっているから危険予測として彼に忠告促したのに、聞く耳を持たない態度で軽くあしらわれ更に刻まれた彼の所有印。
そうしている今でさえまた新たな物を増やそうとしてくるから、さすがに彼の肩を押し返そうと手をかける。
「いい加減にーー」
「効果なかったじゃん・・・」
「・・・」
自分の言葉を遮るように弾かれた彼の言葉。
それに反応して押し返す力を緩めると、押し返さなくとも新たな赤を刻んだ彼がスッとその顔を私に対峙させる。
捉えたのは少し危険な感じのする威圧。
ああ、少し・・・・似ている。
黒豹の子は黒豹だという事。
嫉妬に燃える時ほどそのグリーンアイは酷く鋭く綺麗で危険だと感じるのでしたね。
言いたい事は・・・理解した。
「・・・・一つじゃ効果がなかったじゃん。・・・・なんで・・・、俺以外にあんな取り乱したりしちゃうの?」
「・・・・・ギャ・・・ギャップ萌え?で、しょうか・・・」
「少女漫画的展開に今更悶える千麻ちゃんじゃないんじゃなかった?」
「そ、そう思っていたんです・・・が、」
「・・・・・ムカつく。俺があんな事しても今更千麻ちゃんは動揺も赤面もしないんだろうに」
「それは・・・・あなたが無駄撃ちの如く日常的に繰り出しているせいでは?」
あっ、火に油だった?
嫌味に上がった口の端に『しまった』と判断ミスに心で嘆く。