夫婦ですが何か?Ⅱ
確かに、自分が2番目だと言われ手を叩いて歓喜する女はいないかもしれない。
誰だって好意を抱いている相手には一番と言って欲しいものだろう。【乙女心】を語るなら。
だとしたら・・・・私はやはり普通の【乙女】ワクからは離脱という事か。
私が押し黙って不動になったせいか、少し焦りを見せながら覗き込んでくる彼の姿。
うっかり失言だったと私の反応に軽く怯えているのだろうか。
そんな彼を瞬き少なく見つめ倒して、ようやく胸の内の収拾がついたところで。
「・・・ダーリン、」
「は、はい・・・・すみません」
何で謝ってるんだろう・・・。
と、一瞬は思えど静かに流して。
すでにその距離としては近すぎるほどの位置関係であったのに、静かに鏡に張り付いていた背中を離し半歩前に。
ズイッと更に彼の懐に入るようにその身を寄せて長身を見上げ、近づいた事によって彼は更に視線を落とすことになる。
見上げて見下ろされて。
無言の時間に水道、電気料金無駄にシャワーの音が鳴り響いて。
「・・・・私はどうやら乙女じゃないらしいです」
「・・はぁっ!?」
「さっきまで確かに、入浴しなきゃとか、綺麗に見せたいとか、乙女心たる物を所持していた気でいて。それこそほんの数分前はこんな明るい空間で年老いた肌を見られたくない。なんて羞恥心も持ち合わせていたつもりだったんですが、」
「あっ、それが追っ払いの理由でしたか・・・」
「ついでに言えば、『私と同じように紅さんに接するな』と言いかけてまでやめてましたが、」
「・・・・・あっ・・」
「馬鹿みたいな独占欲に満ちてましたが、」
「っ・・ち、千麻ちゃ、・・ねっ、ねぇっ・・」
「あなたの乙女心分かってない一言でどうでもよくなりました」
「っ・・千麻ちゃんっ、」
淡々と今までの流れの葛藤を暴露して、そのたびに理解が追い付いた彼がワタワタとその都度何か言葉を返そうと動揺を見せて。
それを捉えていても今は譲らないと言葉を続け結論の直前。
一呼吸。
お互いに声を張って確かめるように見つめる事数秒。
「2番目上等。・・・・一番が芹さんであるならその番付は当然で、」
「えと・・えっと・・」
「特別枠な芹さんを除けば私が次いでその座にいるのでしょう?その一言で・・・・どうでもよくなりました」
芹さんの次であるなら・・・。
紅さんより恋愛の番付が上であるなら。
乙女心理解していない2番づけ宣言も最高の響きと受け入れましょうとも。