夫婦ですが何か?Ⅱ
ああ、マズイ。
ほぼ誤聴であると分かっていても音声のみの疑惑は妄想が働いて。
無駄にそのシーンが脳裏に過激に再現されそうで必死に掻き消す。
でもさ・・・痛いって・・何してたの?
重いってことはさ、絶対に拓篤さん乗ってたよね?
しかも良い匂いって・・・・いや、確かに千麻ちゃんはいっつも良い匂いするけどさ。
興奮って・・・、しかも、しかも・・・、
『イク』?動くなって・・・。
「ヤバい・・・救いが翠姫の存在しかない」
「はっ?何、翠姫に重い物背負わせようとしてるの?」
「ひーたん・・・・、ちなみにさ、」
「うん?」
「日華の前で・・・浮気出来る?」
「はっ?」
「いや・・・浮気じゃなくとも・・・情事的な・・・」
「寝てたら余裕で」
「起きてたら?」
「・・・・近くにいなければ」
「うん、・・・なんか少しは救われた、」
「何?電話先で千麻ちゃんが浮気してた?」
「・・・・・」
「・・・・・・嘘・・」
会話を回想しても疑惑が強まるばかりで、唯一の救いを幼い愛娘に託すように言葉を弾けば、仕事片手間に反応した雛華。
その姿をここぞとばかりに覗き込んで、自分の常識的回答と答え合わせのようにそれを確認して。
無事返されたのが自分の感覚と一致した事に安堵した直後、雛華の一言に言葉は返せずに複雑な笑みを返却。
その笑みの含みをしっかり理解した雛華の、さすがに引いた表情と言ったら・・・。
「うわぁ・・・・、ほら、焼け木杭だ。今朝も昨夜もカッコ良くフォローやら壁ドンかましてたんでしょ?元彼」
「違うって、絶対にしてないって!!」
「分かんないじゃん。そういう性癖でプレイで萌えてたかもじゃん」
「知ってるか?それすらも幼児虐待になる世の中なんだぞ?」
「もし本当に人妻と浮気するような人ならそんなモラル持ち合わせてるかな?」
「っ・・・・」
「・・・・・・・・・馬鹿。はぁっ・・本当に馬鹿だなお前」
思わず言いくるめられて押し黙ってしまうと、頬杖ついての上目遣いで俺を見ていた雛華の呆れ声。
それに視線を移せば溜め息まで返されて。