夫婦ですが何か?Ⅱ
「馬鹿なんだ。・・・・・千麻が人一倍努力していたのを知っていて、・・・なのに、その努力を貶すように追い詰めて。
並んで歩いていた筈が置いていかれるようで、一分一秒の間にどんどん離れていくみたいで、」
「・・・うん、」
「子供みたいなやり方で・・・意識を引いて引き止めようとして・・・・・、引き止められる筈なかったね」
「・・・」
過去の自分に呆れる様に笑って詰って視線を落として。
そんな姿を見つめて自分の現状と対比。
過去の拓篤と現在の私が類似する。
だとしたら、
また選択を誤れば・・・、
私もこれから行く末に拓篤のように後悔して不発弾を抱えて過ごす事になるのだろうか?
もう、一度・・・経験した苦い記憶なのに。
「・・・・拓篤だけの問題じゃなかったのよ」
「えっ?」
「並んで踏ん張って、・・・必死に食らいついて関係修復できる道もあったかもしれないのに、私は『これ以上傷つけたくない』なんて大義名分掲げて逃げたに過ぎないのよ」
「でも・・・そんな事態になったのは俺のせいで・・」
「拓篤、」
「はい、」
「この話を突き詰めても堂々巡りで得る物は何もないのよ?」
「うん・・・・・、だから、・・・千麻も悩みすぎないでね」
「えっ?」
「・・・・悩みすぎて、・・・疲れてくるとマイナス思考ばっかで・・・結果、今の僕みたいに後悔しちゃうよ」
「・・・・・・・・・・まさか、・・それが言いたいが為の引用?」
「えと・・・・60%は・・、本当に謝りたい気持ちもあったよ」
ハハッと軽い声を響かせて、僅かに眉尻下げながらの力の抜ける笑み。
それを唖然として見上げて反応に迷って、
結果・・・
「フッ・・ハハッ・・・あぁ・・、もう、拓篤には・・・参る・・・」
「僕の捨て身の応用だよ」
「応用の部分が長すぎて、・・・・一瞬、今に反映したいとか言われるのかと焦ったわよ、」
「・・・・ハハッ・・・まさか。・・・僕はね、千麻が千麻らしく過ごしているならそれでいいんだよ」
「・・・・ありがと、」
「うん、」
私らしく・・・。
私らしいわ、
拓篤の前に立つ今の私は。