夫婦ですが何か?Ⅱ
でも・・・、
今の俺にはそれが叶わない。
「っ・・・拓篤さんなら・・・千麻ちゃんも気遣う事なく力を抜けると思うから・・・」
「茜君・・・その・・、だって、」
「すみません。無茶いってるのは分かってて、・・・でも、今の千麻ちゃんには俺が一番毒で・・・、」
「茜君、」
「触りたくても出来ない、声をかける事すら彼女の体を蝕んでっ・・・・支えることも、慰める事も出来なくて・・・・」
「・・・・」
「それでも・・・・、それでも・・・、彼女を支えて守って優しくありたくて・・・・、そんな俺が出来るのは、こうやって陰でフォローすることしか・・・・」
なんて・・・・頼りなくダメな男。
拓篤さんもそう思って・・・笑ってくれていい。
この程度の男なんだって見下して・・・、
馬鹿にして優越感に浸ってくれてもいい。
だけど、
ただ、
一つだけ望む。
「・・・・っ・・・千麻ちゃんに・・手出さないで、」
「・・・茜君・・・その、」
「千麻ちゃんを・・・・俺から盗らないで、」
「ね、・・ちょっと、」
「俺の全部だから・・・・、寄りかかって、頼って、支えられて・・・、頼りなくても・・・彼女に守られて一緒にいるんだ。
失ったら・・・何もない。
何も出来ない。
・・・生きていけない。
俺の・・・・・」
ああ、そうか・・・。
過去に彼女も言っていたよね。
俺も共感したんだ。
そしてまた・・・再確認。
「・・・・・酸素だ、」
なくては呼吸困難になるような。
依存とは違う、
当たり前に必要不可欠で、
当たり前すぎてて取り入れている事を忘れそうな。
ぼんやりと感傷に浸るように押し黙って。
目の前の拓篤さんを映してはいるけれど捉えてはいない。
気がつけば壁に追い詰めて言葉を綴っていたらしく、壁につく自分の熱を持つ掌が、無機質な壁の冷たさに冷やされていく。
心臓が早い。
本音が、意思ではなくポロポロと零れて、その口をそっと手で覆うと失笑。
馬鹿だ・・・。
こんな事、・・・言われたって困るだろうに。
自分には関係のない事だと、
跳ねつけられてもおかしくない。
勝手に要求して、自分勝手な条件を押しつけて、あまつさえ・・・。
聞かれてもいない心情を語って、
カツアゲよりも性質が悪いな・・・俺。