夫婦ですが何か?Ⅱ
そんな際立った物じゃない、
気がついた時にその大きさを知る、小さな幸せの欠片を少しづつくれる千麻ちゃんだから。
甘いだけじゃなく、時には厳しく。
一緒に並んで進もうとしてくれる千麻ちゃんだから。
特別じゃない、千麻ちゃんだから・・・、
だから、
大好きなんだよ。
「・・・・・・紅ちゃんを嫌いにはなれない。でも、・・・もう今までみたいな距離にも近づけない」
「・・・茜、」
「・・・・・俺の事、嫌いになった?」
小さく笑って彼女の問いをオウム返し。
当然否定を示して首を横に振る彼女。
だよね。
一緒。
嫌いじゃなくて、好きだけど、
距離を保ったんだよ。
「・・・・・紅ちゃん、・・・お腹空かない?」
「・・・・空いた、」
「うん・・・じゃあ、食べよう?・・・千麻ちゃんのご飯ってもの凄く美味しいんだよ」
「・・・・・・うん、」
終幕だと、話を切り替えて持ちだした誘いに、ふわりと口元に弧を描いて返事を返した彼女。
滅多にない自然の笑み。
決してカメラの前では見れない笑み。
俺だけの特権だと思っていたけど・・・。
もうその権利も手放すね。
俺に必要なのは・・・千麻ちゃんのそれだけだから。
ゆっくり立ち上がると2人で寝室を後にしてリビングに向かい、千麻ちゃんの作り置きした食事を温め直して食べる。
これすらも徳逸しているわけでもなく当たり前の美味しさ。
でもそんな事が酷く大切で幸せなんだよね?千麻ちゃん。
味噌汁が美味しい。
口に含んだ味に満足しながら隣室にいる彼女の現状に意識を走らせた。