夫婦ですが何か?Ⅱ
そして、彼女の言葉にも出てきた『当たり前』の響きに安堵して、同調して、ようやく、胸の内が一致した気がして歓喜に満ちる。
そうだよね。
大切なのは際立った特別じゃなくて、
もっと、
些細な物で・・・・。
だからさ、
「ねぇ、千麻ちゃん、」
『はい・・・』
「・・・・・色々と、反論したいかもしれないけど・・・今は聞いてね」
『・・・はい、』
そう、こう言わないと、きっと反論したくなる言葉から始めていくよ。
自分でも少し躊躇う言葉の始まり。
意を決するように、心穏やかにするように息を吸って吐いて。
「俺ね、・・・多分、この先も紅ちゃんは特別で、ずっと大好きだと思う」
『・・・・・はい、』
「・・・どうしても、断ち切ったりは出来なくて。もしかしたらこの先も千麻ちゃんを今みたいにもどかしくさせちゃうのかもしれない」
『・・・・・』
ごめんね。
耐えて、
聞いてね。
「でも、【特別】なんだ。・・・紅ちゃんは【特別】。
千麻ちゃんは【当たり前】なんだ」
『・・・・・・当たり・・前』
「【当たり前】の千麻ちゃんが・・・・大好き」
『っ・・・・』
「【特別】は【特別】だから。
常にないから【特別】で、常には求めないのが【特別】で。
常にね、常にある【当たり前】を過ごしたいのは千麻ちゃんで、」
『っ・・茜、』
「ねぇ、このまま、2人で些細な【当たり前】を積み重ねてさぁ、」
『・・・・・ね、』
「千麻ちゃんの作る味噌汁が・・・一番好き・・・俺、」
大好きなんだ。
だから、あの味が当たり前に常にある事が幸せでさ。
「毎日だって・・・、いい。
千麻ちゃんの作る味噌汁飲んで、
他愛ない言葉遊びの夫婦漫才交わしてさ・・・・・
俺と・・・歳とってベランダでお酒飲んで語るような生涯すごしませんか?」
凄くさ、当たり前の様でいて、物凄く理想的な生涯だと思わない?
どう思う?
有能な・・・・俺の千麻ちゃん。