夫婦ですが何か?Ⅱ
声にも、目にも、過剰な変化を見せない彼女に不思議に思って。
それでも厄介なリハビリ期間は免除かと浮れかけたのに。
『あっ・・・・気持ち悪い、』
「ええっ、嘘っ・・・結局ぅぅぅ!?」
『多分・・・当分は継続かと、』
「そんな断定しないでよ、頑張ってさぁ、改善するように2人で努力しようよ、」
『努力してどうにかなるとも思えませんが・・・』
「千麻ちゃん・・・・、」
『だから、社長にも謝罪しなければと思い会社まで足を運んだんです』
「・・・・・・・・・・・・はっ?」
意味不明なんですけど?
落胆しいつの間にか床に落ちていた視線をグイッと急上昇させて、間抜けな疑問顔で彼女を見つめれば。
何食わぬ顔で手すりに頬杖ついて見下ろす姿が不意に口の端をあげて悪戯に微笑む。
えっ?
何?
だって・・・・父さんに謝るって・・・、
「・・・・・・・っ!?」
『情緒不安定な筈ですよね。・・・・私も思わぬ落とし穴というか・・・』
「えっ・・・ちょっ、ちょっと待って、だって・・・嘘っ!?」
『【愛情の死角】・・・・・よって、リハビリ必要なアレルギー反応じゃなくて、』
「っ・・・千麻ちゃん!」
『私、・・・どうしても男の子がいいんですが。
今からでも念じたらそうなりますかね?』
ニッと笑ってお腹を柔らかく撫でる彼女に感無量で、本当ならその感動を口にすべきなのに馬鹿みたいに無言になる。
でも浮かぶ表情で彼女には充分に伝わっているらしく、機械越しに小さく噴き出したのを聞き逃さない。
『また・・・しばらく一緒に飲めなくなっちゃいました』
「っ・・・」
『それでも・・・まだまだ付き合いの長い生涯ですから。・・・・待っててくれますよね?』
「っ・・当たり前じゃん!!」
『そう、・・・・また、築いた【当たり前】の中に、新たな【当たり前】になる存在を追加して築きましょうか?』
「フッ・・・・・ハハッ、さすが、俺の有能な千麻ちゃん」
『お褒め頂き恐縮です、』
本当にいつだって、
千麻ちゃんは俺の予想を軽く上回って驚かされるよ。
でも、そんな千麻ちゃんが
「愛してるよハニー」
『クサくて、ウザいです』
「愛してるダーリンって響きに変換しておく」
そう言えば馬鹿にしたように笑って呆れて。
でも、いつもの千麻ちゃんだね。