夫婦ですが何か?Ⅱ
「何今更使い古した女房に興奮してるんですか?」
「ええっ!?興奮するように仕掛けてきてた、って千麻ちゃんも自分から宣言してたじゃん!!トドメのように浴衣まで着崩して跨ったくせに!!」
「誘惑以外に浴衣の使い道ありますか?」
「・・・・・うわぁ・・・、何ていうか、・・いや、諸々、乙女心やファッションで使用されてる方も多数かと」
「馬鹿ですね。女同士で浴衣着て花火大会、なんて言ってようと、少なからず男の目を意識してに決まってるじゃないですか」
「ええっ!?決まってるの!?断言!?恐い!女の子恐いよ千麻ちゃん!」
「あなたが掌で転がして遊んできた女子も、案外逆にあなたが遊ばれてたに過ぎないのかもですよ」
「っ・・・恐ぇ・・・」
「ですから、はっきりと【誘惑】だと断言する私は幾分か良心的でしょう」
「千麻ちゃん・・・・めっちゃ好き」
「はい、そのまま、皺々の年寄りになるまでそう言い続けてくださいね」
なんて色気のない会話なのか。
私は終始淡々と返し、彼は相変わらず感情を乗せて言葉を弾いて。
それなのに欲に忠実に愛撫しながらの会話であって、甘噛みしたりキスマークを残して肌の露出を増していって。
時々、生暖かい風が緩んだ浴衣から覗く肌をくすぐって流れていく。
最終的に愛くるしい、もどかしい表情で『好き』だと言葉を落とした彼に、僅かに頭を上げて自ら口づけて。
柔らかく啄みながら再びマットに頭がついたと殆ど一緒。
「・・・んっ・・」
深く、でも静かに重なってきた彼の体を、返すように柔らかく抱締めその感覚に浸る。
挿れただけ。
動くでもなくお互いに存在を確かめるように抱きしめて、時々頬やこめかみに口づけて。
じれったい筈なのに満たされてもいる。
これはきっと・・・彼の言葉の効果。
散漫な愛情の意思表示に、女としてというより・・・妻として満足している。
「ダーリン、」
「・・・・ごめん、欲求不満?」
「いえ、・・・充分に興奮しているらしきあなたのーー」
「セクハラです」
「夫婦間には無効です」
感じ取れるそれを指摘してみれば、見事羞恥で染まった彼の非難の表情と言葉に切り返し。
散々それを受けてあなたの手足として動いてきたのだ、今度は私が妻の座を良しとして追い詰めてやる。