夫婦ですが何か?Ⅱ




そんな言葉が聞こえたように、不満げにしていた彼が脱力したように笑って私の頬をくすぐって。


トンと寄せられた額。


至近距離で絡むグリーンアイの相変わらず綺麗な事。


きっと・・・一生、


周りの皮膚に皺か増えても、


皺々の年寄りになっても綺麗なんでしょうね。


それを隣で、近くに感じて、こうして時折見つめて。


そんな一生・・・贅沢で・・・・・・・・多分、


【幸せ】という事なんでしょう。



「ダーリン・・・」


「んー?」


「・・・・皺々のお爺さんになっても好きだと思います」


「フッ・・・・【だと】?断定じゃないんだ?」


「先の不確定な事は断言できません」


「真面目。そこは嘘でも一生好きだって言うところでしょ」



嘘でも甘い言い方をしない私に、失笑しても気分を害したりはしていない彼。


むしろどこかいつもよりも上機嫌であるように見える姿は純粋で無邪気で。


変わらないでいてほしい。


それこそ・・・歳をとって皺々になっても。


だって、


私は・・・・



「いつだって・・・目の前のあなたが好きですよ」


「・・・・」



はっきりと告げれば、僅かに大きく開かれそのグリーンアイを明確にして。


引き込まれるようにその緑を見つめて本心を零して。



「私の前にいて、私を見て、揺らぐことなく感情をぶつけてくれる。そんなあなたが馬鹿で・・・愛おしいと感じます」



言葉だけでは足りなかったのか、気がつけば彼の頬を両手で包んで。


今は綺麗で若々しい目元を指先でなぞる。


不確定な事は口にするのは好きじゃないけれど。


それでも、



「何年経っても、皺が増えても、

隣り合って、嫌味な夫婦漫才をして、こんな風にお酒を飲んで。

そうしている私は、今と変わりなくあなたに従順で愛情深い妻である筈です」


「っ・・・」


「『あなたの腕の中でだけなら従順になりましょうとも』

約束は守る女ですから。

でも、・・・貞淑な妻ではいられませんが・・・いいですか?」



フッと口の端をあげて、現状を示すように一瞬だけ視線を体に走らせてから彼の顔に戻して。


彼の腕の中では貞淑なんかじゃいられない。


貪欲に、もっともっとと熱を持って、疼いて、淫乱で。


でも・・・、


そんな私を、



「フッ・・・ハハハッ・・・、あー・・・もう、

・・・・・・最高でしょう・・・

最高の奥さんですよ・・・千麻ちゃん」



やっぱり、


大好きでしょう?


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