夫婦ですが何か?Ⅱ
だとしたら、とんでもなく現状あり得ない被害妄想だと意識を引き戻すように唇を重ねて肌を密着させた。
存在を確かめさせるように。
「んっ・・・千麻ちゃ・・・」
「・・・・・・セックスに思考は不必要」
「フッ・・・ははっ・・・うん、だね・・・」
「それに・・・いくら酔っていても私が満足するまでダウンなんてさせませんから」
「うーん、相変わらず貪欲」
「どっちが・・・」
「いいや、・・・今は腕の中にいるし・・・・・動いて、千麻・・・」
「・・・仰せのままに、」
ニッと笑って彼の要望を満たすように、自分の欲を満たすように扇情的で快楽一色の時間に溺れる。
見下ろす特権を噛みしめて、綺麗なグリーンアイが自分だけの物だと優越に浸って。
ああ、私は馬鹿みたいにこの男に落ちているのだと再確認する時間。
私を閉じ込めてしまっておきたい?
それはこっちのセリフです。
あなたみたいな存在するだけで他者を誘惑する姿を隠して閉じ込められたら・・・。
私も大概・・・Sな思考の女なんですよ。
大丈夫、
私なんかを欲しがる人なんてあなたを求める人ほど多くないのですから。
大丈夫。
そんな事を頭の片隅に、お互い貪欲にアルコールの効きすぎた濃密な夜を更かす。
『無自覚は罪』
彼の言葉が後々に響く。