勝手に古今和歌集
*
「サトシー、帰ろ~」
帰りのチャイムが鳴ると同時に、後ろで夏木さんが声を上げた。
俺はぱっと目を上げて振り返り、夏木さんの顔色を窺う。
夏木さんはどこか落ち着かなさげな表情で、向こうのサトシに手を振っていた。
サトシは夏木さんの幼馴染みらしい。
普段はあんまり喋っているところを見ないけど………。
その二人が、なんで今日に限って一緒に帰るんだ?
え………まさか、まさか!?
夏木さん、サトシと付き合ってるとか!?
うそ、まさか、そんなはず………!!
いや、でも…………