勝手に古今和歌集
ああ、夏木さんって、サトシが好きなの?




サトシと付き合ってるの?




それにしてはやけに素っ気なく奇妙に思えるあの空気感は、幼馴染みだからこその気安さなの?





さっきまで否定していた考えがまた舞い戻ってきて、俺の心はしくしくと痛んだ。




あぁ、噂には聞いていたけど、恋って切ないものなんだ。





俺は今まさに嫉妬している。



夏木さんからくったくのない笑顔を向けられているサトシに。



気をつかわずにばしばし殴られているサトシに。




あそこで夏木さんと並んで歩いているのが、俺だったら良かったのに……てん




俺は心の中でほろりと涙した。





< 55 / 93 >

この作品をシェア

pagetop