勝手に古今和歌集
あぁ、やっぱり、あの人の網だ!!





わたしは狂喜乱舞したい気分だった。





でも、そんなことをしている暇はない。




このチャンスを逃したら、次に会える保証はないんだから!!





わたしは思い切り尾びれを振って、腕を精一杯に伸ばして水を掻き、網のすぐそばまで近づいた。





そしてがっしりと網をつかむ。





でも、波に揉まれて揺れ動く網から手が離れそうになってしまい、わたしは焦りを覚えた。





もし振り払われたら、終わりだわ。






わたしは、海中にふんわりと広がっている網の中になんとか入ろうと、必死でもがく。




でも、中には大きな大きな魚が一匹捕らえられていて、そいつが邪魔で中に入れない。






「………邪魔よっ、どいて!」






わたしは渾身の力でそいつを網の外へ投げ出した。






そいつは『ありがとう』というように背びれを振りながら去って行ったけど、わたしはそれどころじゃない。






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