勝手に古今和歌集
「わざと、捕まったのよ!」






にっこりと笑って言い返すと、彼はまたきょとんとした顔になった。






「わざと? なんで?」





「あなたに会いたかったから!」






わたしはそう言うと同時に思いっきり跳ねて、彼のいる舟の上に飛びうつった。






「わっ! な、なんだ!?」






驚いて戸惑っている彼に、ぎゅうっと抱きつく。






「な、ななな………」






「あなたに一目惚れしちゃったの!


わたしを陸に連れてって!」






「はーっ!?」






彼はわたしの両肩を掴んで引き剥がし、わたしの顔を覗き込んできた。






「正気か、お前!」





「もっちろん!」





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