魔恋奇譚~憧れカレと一緒に王国を救うため、魔法使いになりました
「“この戦いを無事に終えてから、してくれる?”って世里が言ったんだ」
「うん……覚えてる」
そのときの光景が蘇ってきて、心臓がドキンドキンと大きな音を立て始めた。どうしよう、彼から目を離せない。
「しても、いい?」
勇飛くんの声がかすれている。それはきっとずっと眠っていたからじゃない、何かの熱と予感を秘めた声。
「ん」
恥ずかしくて声が小さくなった。勇飛くんが私の顎をつまんで顔を近づけてくる。柔らかい唇が重なった瞬間、なぜだか涙が溢れてきた。
「世里?」
勇飛くんが唇を離して、私の涙を親指で拭ってくれる。
「勇飛くん、無事だったんだね」
「うん」
「終わったんだね」
「そうだよ。ネフライトとディヴィナが自害して、王様の魔法も解けたんだ」
「そっか……」
大きく息を吐く私を、勇飛くんが抱き寄せてくれた。
「戻れてよかった。世里が生きていてくれて本当によかった」
「勇飛くん……」
そうしてもう一度見つめ合う。勇飛くんの目が少し潤んでいる。彼の唇が迫ってきて、もう一度重なりそうになった瞬間、クマゴンの怒鳴り声が聞こえてきた。
「こらぁ! 不純異性交遊は禁止だぞ!」
勇飛くんがクスッと笑った。
「クマゴンだけはどっちの世界にもいるみたいだね」
「こら、柊ぃ、いつまでくっついとる!」
「うん……覚えてる」
そのときの光景が蘇ってきて、心臓がドキンドキンと大きな音を立て始めた。どうしよう、彼から目を離せない。
「しても、いい?」
勇飛くんの声がかすれている。それはきっとずっと眠っていたからじゃない、何かの熱と予感を秘めた声。
「ん」
恥ずかしくて声が小さくなった。勇飛くんが私の顎をつまんで顔を近づけてくる。柔らかい唇が重なった瞬間、なぜだか涙が溢れてきた。
「世里?」
勇飛くんが唇を離して、私の涙を親指で拭ってくれる。
「勇飛くん、無事だったんだね」
「うん」
「終わったんだね」
「そうだよ。ネフライトとディヴィナが自害して、王様の魔法も解けたんだ」
「そっか……」
大きく息を吐く私を、勇飛くんが抱き寄せてくれた。
「戻れてよかった。世里が生きていてくれて本当によかった」
「勇飛くん……」
そうしてもう一度見つめ合う。勇飛くんの目が少し潤んでいる。彼の唇が迫ってきて、もう一度重なりそうになった瞬間、クマゴンの怒鳴り声が聞こえてきた。
「こらぁ! 不純異性交遊は禁止だぞ!」
勇飛くんがクスッと笑った。
「クマゴンだけはどっちの世界にもいるみたいだね」
「こら、柊ぃ、いつまでくっついとる!」