Love Birthday‥



「そんなことはクローバーを見つけた時からわかってたよ。
驚いたのは西村さんがその事に気づいてたってこと。
言われた時はすげー焦ったよ」


「え……知ってたの?
ならすぐに消せば良かったのに……」


「どんな意味であのクローバー描いたの?」



志則の真っ直ぐな瞳の質問にドキッとした。



あのクローバーを描いたのは……


「ただ、なんとなく……かな?」

「ふぅ~ん」



私の答えに納得出来てない志則が、横眼で私を見る。

その顔にドキッと胸が高鳴り、焦った私は質問を返した。


「どうして消さなかったの?」



焦りを隠すために質問したのに、私の鼓動は治まるどころか高鳴っていく。

俯きかけた私の耳に、志則の声が聞こえた。



「ただ、なんとなく……
嬉しかったから」



志則の答えに嬉しいなんて言葉を予想していなかった私は、

次の言葉が見つからず黙ってしまった。



そして長い沈黙の後、志則が突然口を開いた。











< 196 / 249 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop