にせパパ、はじめました。
い、家出………!?



「え、いっ家出って、何で………?」


転校してきたって事は、どこかからこっちに来たということだろ?


つまりこの辺りの事はあまりわからないはず……



それなのに、家出……?



「…………こ、こっちの生活に慣れへんくて………アホ言って出てきてもてん……」


西城は少しだけ目を潤ませながら言う。


ん?

……この言葉………………関西弁…?



………あ


確か、兵庫県だっけ。



「あ……アホ言って…………?」




すると西城は、下を向き俯いてしまった。



「…………」


でもパッとすぐ顔を上げ



「…………どうしようっ……母さんに酷いこと言ってもた……!」




ポタ…


「…………!さ、西城……?」



雫が西城の頬を伝った。


何粒も、溢れて溢れて。




「う、ああああああああああああああああああんっ!!!」



風が吹き、西城の顔を少しだけ隠していたフードがとれる。



それと同時に、西城はまるで滝のように、大声で哭き出した。


周りから視線が一気に集まる。




ど、どうしよう………


「…………ま…………」



と、とりあえず、ここじゃあれだし……


店の中のカフェエリアに入ろう…



「西城……とりあえず中に入「ままだぁーーーーーーーーーっ!!!」」ドーン


そう言おうとした時だった。


















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