にせパパ、はじめました。
………………。




「………へ……………?」

「ママ…………ママ……!会いたかったよぉ………!!」


そう言ってうわあああと泣きだす冬。


ちょ、待ってくれ、

思考が追い付かない。



………………今度は、西城が「ママ」だと………?

誤解だよな、うん、俺の事をパパと呼んでるのも多分誤解だろうし…!


きっと冬は出会った人をとことん親族に例えるのが好きなんだな(違います)


「ふ、冬…!」

「ふぇ…………なぁにパパ、ママだよ…?ママがいるんだよ!?」


西城は「?……??(汗)」という表情をしている。



……………うん、間違いなく誤解されてるな。


そして何より



「…あらやだ、高校生で子供なんて………最近の子は何するか分からないわね…」

「ママって言われてるからあの子が母親なのかしら?」

「随分綺麗な顔立ちなのに……見た目だけじゃないわね、人って…」


……これは本格的にヤバい。

俺にじゃなく、西城が悪口を言われてる。


「……ま、ま………?あたしが…?」

西城は周りの人達より、冬が気になるようで、ジッと冬を見ている。


というか、そんな場合じゃなくて!!




グッ


「…っな………き、さらぎくっ………!?」


「ちょ、中入ろう、ここじゃ目立つ!」


西城の手をとり、中へ走る。



「パパ…………?」


冬はちゃんと俺についてきた。



確か、すぐそこにカフェがあったよな。






















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