それは、ナイショの恋*【短編集】
これは『恋』かなんて、分からない。





けど、センパイが大事だ。





「センパイ、私を忘れないで。」





「ふっ、こっちのセリフ。」





見えてるものがすべてじゃないと、この時感じた。センパイの心の奥まで見たい。けど、見えないよ。




見えるはずない。






「・・・・・・行くよ。」









私の手を握っている力が強くて、時々私を見るセンパイが切なく見えて、泣けてくるのは何故・・・・?






−−−−−−−−−−センパイ、知っていた?私、この日、センパイに色々なモノ貰ったんだよ。


−−−−−−−−−−まだ、今日会ったばかりなのに、気持ちってどんどん膨らんでいくんだよ。





「センパイのお家?」




「うん、婆ちゃんと住んでるから。あ、でも婆ちゃん今日いないし、心配しないで。二人だけだから。」



「センパイ、私を彼女にして?ってかなる!なりたい!なるまで、ここ動かないっ!!」




困った子だなぁと頭を抱えたセンパイ。後悔するかなんて、分からない。



「私、自分で今の行動、公言に驚いてるんだ!!ぜったいセンパイと付き合いたい!センパイが良い!センパイじゃなきゃやだっ!!」



「・・・・わがまま。」




・・・・・・泣いてるの? なんで泣いてるの?私が困らせること言っちゃたから?





私は、センパイの涙を舐めた。舐めたらしょっぱくて、ちょっと甘いと思った。



「香鈴、なんでお前なんだろ、今日会ったのが・・・・」




「それは、運命だったってコトでっ・・・・どう?」




センパイは、「うん、それでいい。」と泣きながら笑っていた。





付き合ってからキスとか、その前に告白とか。私たちは色々すっ飛ばしているけど、想像と遥かに違った運命の人との出会い方だけど、センパイと私で運命だから。





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