【完結】遺族の強い希望により
「よ……良かったじゃん? 玲奈」


隆司にこどもが出来ていなかったことは、玲奈にとっては喜ぶべきことだろう。
そう思ったのに、みのりの声は何故か震えた。
涙がこぼれそうなのに気付いて、慌てて誤魔化した。


「やっぱり、お父さんに他にこどもがいるなんて玲奈の妄想だったんだよ」

「そう……なのかな?」

「そうだよー。散々騒がせといて、最後はなんかあっけない終わり方だったね」

「うーん……」

釈然としないような面持ちで、玲奈は首を傾げている。

2人がノートを読み終わったことに気付いた亮が、怪訝そうに顔を上げた。


「なにそれ、そっちどうなってんの?」
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