日常・非日常
「時間は大丈夫」
ふっと春樹が笑う。よかった、私は春樹の胸に顔をうずめる。

「あのさ、香織」
「ん?」

黙り込む春樹。突如嫌な予感が沸き上がる。この感覚、前にも感じた事がある。元カレも、元々カレも、突然言い出した。終わりを告げる言葉。

「春樹?」
顔を上げる。春樹が思い詰めた顔をしている。心臓が高鳴る。
もしかしてあの事?それともこの事?不安要素を上げだしたらキリがない。今日の会話の一言一言を思い出す。
なんで?嫌だ。
どうして?恐い。

「…香織」
嫌だ、恐い。

「一緒に暮らそうか」


…え?
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