睡恋─彩國演武─

まるで子供のようだった。


「おやすみなさい」


柔らかそうな金色の髪を、そっと撫でる。

藍が悪いんじゃない。

龍が彩國に造り出してしまった歪みを、彼が受け止めていただけ。


「──ごめんね」


藍の瞳から、一滴の光が零れた。






「この人が……?」


呆気にとられながら、由良はまじまじと藍の寝顔を覗き込んだ。


「うん。──藍だよ。白樹の王子のね」

「なんかアイさんに似てませんか?」

「──アイさんなんだよ。彼が」

「……はい?」


意味が分からない、といったふうな声を出して、由良は千霧を見つめる。

あの後、様子を見に来た由良が三人を発見し、千霧と共に呉羽と藍を部屋へと運んだのだった。

それから手当てに追われ、気付けば一日が経っていた。


「私も驚いた。性格もずいぶん変わって──」


そこまで口にして、躊躇った。

藍は、由良にとっては空良の仇、ということになる。

千霧の様子を見ていた由良が苦笑した。


「やだな、俺、脩蛇に怨みはあっても、藍王子に怨みはないですよ」


それを聞いて、ほっと胸を撫で下ろす。



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