睡恋─彩國演武─
まるで子供のようだった。
「おやすみなさい」
柔らかそうな金色の髪を、そっと撫でる。
藍が悪いんじゃない。
龍が彩國に造り出してしまった歪みを、彼が受け止めていただけ。
「──ごめんね」
藍の瞳から、一滴の光が零れた。
*
「この人が……?」
呆気にとられながら、由良はまじまじと藍の寝顔を覗き込んだ。
「うん。──藍だよ。白樹の王子のね」
「なんかアイさんに似てませんか?」
「──アイさんなんだよ。彼が」
「……はい?」
意味が分からない、といったふうな声を出して、由良は千霧を見つめる。
あの後、様子を見に来た由良が三人を発見し、千霧と共に呉羽と藍を部屋へと運んだのだった。
それから手当てに追われ、気付けば一日が経っていた。
「私も驚いた。性格もずいぶん変わって──」
そこまで口にして、躊躇った。
藍は、由良にとっては空良の仇、ということになる。
千霧の様子を見ていた由良が苦笑した。
「やだな、俺、脩蛇に怨みはあっても、藍王子に怨みはないですよ」
それを聞いて、ほっと胸を撫で下ろす。