睡恋─彩國演武─
誇り高い朱雀の涙。
我慢して我慢して、長い間溜め込んできたであろう、本当の気持ち。
「──藍、泣いていいよ。ここには、貴方と私しかいないのだから」
「……何……言って……」
赤くなって藍は千霧を睨み付ける。
それでも千霧は、前のようには恐れなかった。
「貴方の心を、私に見せて」
彼の身体を、両手で包み込むように抱き締める。
抵抗されるかと思ったが、藍は不思議と受け入れた。
それから小さな嗚咽が聞こえてくるまで、時間はかからなかった。
「貴方が運命を変えられないのなら、私が変えるよ。──どんな運命だって、必ず変えてみせる」
藍の身体が、一瞬だけ強張った。
「……嘘……ついたら……承知しない……から……」
藍に向かって微笑むと同時に、千霧の頭に突き刺すような痛みが起こった。
もう慣れた、この感覚。