睡恋─彩國演武─


藍は眉を歪めて、ガリガリと音を立てながら爪を噛んだ。

「急に莫迦なこと言い出さないで欲しいんだけど」

「莫迦なのは貴方よ。──素直になれば良いじゃない。本当は寂しくてたまらないくせに!」

アイが藍に向かって感情的な声をあげたことは、これまで一度もなかった。

さすがに驚いたのか、藍の肩が跳ねる。


「アタシだって……!アタシだって寂しい……。藍とアタシは繋がってるんだから──わかるよ。そのくらい!」


二人で一人だから。

アイが涙を流すと、藍の目からも涙が零れた。

繋がって、いるから。


「ごめん……君に嘘はつけないね」


涙を拭い去ると、藍は由良の方を向き、視線を合わせた。


「白樹の王子として、聞かせてくれる?君の話」


「藍王子……!」


由良の表情が瞬時に明るくなり、その様子を隣で眺めていた空良も微笑んだ。

由良は嬉しそうに、空良に向かって頷いてから、藍に今までの白樹の様子を話した。

その間、藍は頷きながら真剣に由良の話に耳を傾けていた。

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