睡恋─彩國演武─

由良は湿気で跳ねた髪を気にしながら答える。


「うぅ……っ。さすがに星麟は冷えますね。薄着だと十中八九風邪ひきますよ」


独り言のように呟きながら、由良は部屋へ続く長い階段を上っていく。

千霧もそれに続き、階段を一段ずつ踏みしめるように上った。


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