睡恋─彩國演武─
だが次第に、千珠の声に混じって人のざわめきが聴こえ始めた。
それはとても耳障りで、蒐は眉を潜めた。こんな時は、必ず凶事が起こる。
「蒐、千珠、居るか?」
少し焦りを感じさせる声色は、珀のものだった。
「はい、此処に。──如何なさったのですか?」
「ああ。村で異形が暴れているんだ──救援要請があってな。今から出るぞ」
そう言って、珀は踵を返した。それに千珠と蒐も付き従う。
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