睡恋─彩國演武─

予想はしていたので、千珠は冷静に頷く。

「そうだな……今から覚えるなら、身長から考えて矛か……槍でも良いな。あとは簡単な体術か。戦に出ることはないと思うが、身に付けておいて損はない」

「難しそうだなぁ……」

不安そうな癸火の肩に手を置き、千珠は諭す。

「強くなれば、異形を恐れずに済む。大丈夫、癸火には素質があるんだ。努力さえすればすぐに身に付く」

「千珠さま……」

癸火は自信がついたのか、明るい表情を見せた。

「オイラ、頑張るよ!」

「何を頑張る?」

「ひっ!?」

癸火が萎縮したかと思うと、どこから現れたのか蒐の姿があった。

どうも第一印象が悪かったのか、癸火は蒐が苦手な様子だ。

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