睡恋─彩國演武─
*
光が妙に目にしみる。
「……千霧様!」
寝台から体を起こそうとすると肩に鋭い痛みが走った。
「痛……!」
「あ、駄目ですよ、無理に起き上がっては。まだ治ってないんですから」
あわてて制止する呉羽に、寝台へと戻される。
いつの間にか肩から胸にかけて包帯が巻かれていて、少し血が滲んでいるのが確認できる。
「兄様に……斬られた所か……」
無意識のうちに、包帯の上から怪我に触れていた。
「兄様はどこに……?」
「紫蓮様は千霧様より回復が早かったので、今は自室でゆっくりしていると思いますよ」
「そう……。会って、くれるかな……?」