俺様上司は、極上の男!?
「私は……それでもつぐみちゃんが好き」


朋子は肩を震わせ、ぎゅっと握った両手を口許に持っていき、苦しそうに泣いている。
ああ、そんなに泣いて……。
誰もいない寒々しいテラスを選んでよかった。店内だったら目立ってしょうがない。


「ずっと、親友って呼べるような友達いなかったの。私、どんくさいし、話も上手じゃないから。女の子の輪の中じゃいつも浮いちゃって。でも、つぐみちゃんは上手に話を振ってくれた。私を仲間に入れてくれて、本当に嬉しかった」


この期に及んで、そんな告白いらない。


「つぐみちゃんといると、毎日が楽しかった。お互い仕事が忙しい時はメールで励まし合って、お休みの日は買い物に行って。二人で旅行もしたよね。あの伊豆の海、すごくきれいで忘れられない……」


「やめて」


遮ったのは、私も泣きそうだったから。

この一件で私が失ったのは、彼氏だけじゃない。
かけがえのない、大好きな親友も失っているのだ。

もう、還らない幸福だった時間。
親友と過ごした温かな思い出のすべては、棺に納めて地中深くに埋葬しなければならない。
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