俺様上司は、極上の男!?
色々と思い出して暗憺としてしまう。


昨日の今ごろ、私はまだハッピーなままだった。

来週の27歳の誕生日はどこに行こうかな。
彼氏の裕太(ゆうた)はまだ何も行ってこないけれど、サプライズ好きイベント好きなあいつのことだから、期待していいはず。

……そんなことを呑気に考えながら、仕事をしていた。


たった一日で世界が変わっちゃったよ。

ここはまるで、私の知らない場所みたい。
異世界だ。
宇宙の果てだ。
酸素がないから、息ができない。

片付けなきゃいけない荷物の前に座り込む。
全身が気だるい。
ありとあらゆる理由で、本当は指一本動かしたくない。
心が緩むまで、冬眠したい。


「仕事のフリしてサボりか?」


背後のドアが開いたことすら、気づかなかった。

ぶんと首を後ろにねじると、そこには櫟課長がいた。
すらりとした体躯をグレーのスーツに包んでいる。
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