俺様上司は、極上の男!?




朋子の最寄駅まで来ると、徒歩10分の道程を歩くのももどかしくタクシーに乗った。
朋子の部屋は大型マンションの一室で10階。
万が一飛び降りられたら助からない。

私は朋子の部屋付近を下から眺めるけれど、人影は見当たらない。ともかく急ごう。

エレベーターで目的階に到着すると、朋子の部屋の前に途方に暮れた顔の裕太がいた。


「朋子は!?」


「ダメだ。呼びかけてるけど、返事ない」


「寝ちゃってるってことは?」


朋子はやけを起こして、バーボンを一気飲みしたと聞いている。


「物音はしてるから、起きてるみたいだ」


私はドアに耳をつける。
確かに中で何かを引きずる音や何かを落とす音が聞こえる。朋子は酔っ払っているものの、起きているようだ。
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