俺様上司は、極上の男!?
何やってるんだろ、私。
スパイか?スパイなのか?

こんなことしてちゃダメだよ。
盗み聞きする気満々で。

……と思いつつ、席に座ったからにはここでしっかりランチをして帰ろうと考え直す。

櫟課長からは見えない位置だけど、万が一見つかったら偶然を装おう。

課長たちが頼んだ日替わりランチを自分でも頼み、私は聞き耳をたてる。


「久しぶりだよね、こうやって顔をあわせるの」


思い出話だろうか、会話はなごやかで楽しそうだ。
話の端々から、私の推測が当たっていたことがわかる。

課長と会っている人たちは、千葉工場の元同僚だ。

ランチがテーブルと私の前に届く。私はコロッケとチキンソテーをささっと胃に押し込み、耳に全神経を集中させる。

やがて、向こうのテーブルの食事も終盤に差し掛かった頃だ。


「そろそろ、本題を話そうかな」


櫟課長の横に座る50代とおぼしき男性が口を開いた。
< 220 / 284 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop