俺様上司は、極上の男!?
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4月がやってきた。私の身辺はあわただしさを増した。
私は密かにある計画をたて、それを実行にうつすため奔走していた。
櫟課長には何も話していない。言う時はこの計画が実った時だ。
それまでは内密に仕事を進めなければならない。
幸いなことに、彼は直属の上司だけど、今は第1グループとの合同イベントに向けて忙しいため、あまり接触せずに済んでいる。
上長決済がいる時は、主任の中尾さんに頼んだ。彼は決済を代行できる。
一緒に仕事をしている小花だけが、私の計画の全容を知っている。
ひとりで進めたいという私の意思を尊重して、小花は自分が回せる仕事はどんどんこなしてくれるようになった。
「無理しないでくださいよ。つぐみセンパイはホント意地っ張りなんだから。絶対、人に頼んない」
意地っ張り、か。
ごめん、今回はそれを通させて。
櫟課長の心を動かすには、私が私らしく成果をあげることだ。
同じ、意地っ張りとして。
それが、ただちに恋に繋がるかはわからない。
でも、私にできる精一杯を見せたい。
彼の僅かな灯りになりたい。