俺様上司は、極上の男!?
寝耳に水の話に私は素っ頓狂な声をあげた。
妊娠……って裕太の子ってことだよね。


「まだ、わかって間もないの。来月、裕太くんとは入籍だけ済ませる予定」


「ふーん、あらそ」


私はわざと冷たく言ってみるけれど、つい頬が緩んでしまった。
不思議なもので、怒りよりずっと安堵が勝っていた。そして、かすかだけど、喜びも。

よかった、よかった。
お騒がせバカップルは授かり婚というカタチでめでたくゴールインですか。


「散々振り回しといて、そういう結末。いーんじゃない?」


「ふふ、ありがと」


朋子の瞳にはもう不安も卑屈もなかった。
朋子は朋子で、きちんと割り切ったのだろう。私との関係も、裕太との未来も。

やはり、あの日朋子に会いに行ってよかった。私たちには、きちんと友情にピリオドを打つ儀式が必要だったのだ。


「一応忠告しとくけど、裕太は結構フラフラしてるから、妊娠中に浮気されないように気をつけなね。一度あることは二度あるかもよ」
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