俺様上司は、極上の男!?
無味乾燥だったこの部屋は、私が居つくようになって少し変わった。

引越し業者のダンボールを解体して、あるべき場所にあるべき物をしまったのは私。
キッチンに朝ごはんを作れる程度の器具(フライパンや小鍋なんか)を持ち込んだのも私。


「入れよ」


通された玄関に、課長が去年千葉工場で製造した最後のミサキガワシューズを飾ったのも私。
この靴は本当は履くものだけど、いつか彼の夢が叶うまではお守りとして飾っておくのだ。


「櫟課長、朝ごはんの材料買い忘れちゃいました。私、ちょっと近くのコンビニまで行ってきます」


私は脱ぎかけたパンプスに足を納める。
すると、課長が玄関ドアに私を追い詰めた。
すでに革靴は脱いでいるので、靴下のまま三和土に降り、ぐっと顔を近付け至近距離で私を見下ろす。


「いい、そんなの」


「朝になって『腹減った』って起きるのは課長でしょ。すぐに行ってきます」


「いいんだよ」
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