俺様上司は、極上の男!?
振り返ろうとするけれど、身体がうまく動かない。
近くのデスクでメグ子さんが、私の背後の人物を睨んでいるのが見えた。

ギシギシ軋みながら振り向くと、そこに三川裕太がいた。

細身の紺色スーツを着こなし、茶色に染めた髪は、ブラジルのサッカー選手を真似ているんだとか。
ちょっとおしゃれな外資系企業の若手といった雰囲気だ。


どのツラ下げて?

そう、言いそうになった。


いや、仕事に私情を持ち込むな。
案外、誰かと打ち合わせで来たのかもしれない。
大手ディベロッパーの社員の彼。
きっと、新たに仕事があってきたのだろう。

しかし、裕太は私の横までやってくる。


「例のお台場のファッションビルの件で打ち合わせしたくて、今、お時間あります?」


さらりと言うけれど、そんな商業ビルの話は聞いたこともない。
私以外の人間だって手掛けているなんて話、聞いていない。
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