腹黒王子の取扱説明書
俺は魔法使いでもなければ、王子でもない。

まさかこんな世界にいるのに彼女を劇的に中年男から救い出して、そのままハッピーエンドとかを願っているのだろうか。

下らない。

俺は誰とも結婚するつもりはない。

だから、婚約指輪もどの女にも与えるつもりはない。

女なんて信用出来ない。

自分の母親のように平気で裏切るし、血のつながった子供だって迷いもせず捨てる。

俺はただ自分の玩具に汚い中年オヤジが触れるのが許せなかっただけだ。

返事をせずにそのまま歩き続け、中年男からすぐに彼女を奪った。

人目がなければ、男を一発ぐらい殴っていたかもしれない。

せっかく助けてやったのに麗奈はかなり俺を警戒していた。

俺から逃げる女なんて今までいただろうか?

俺がちょっと微笑むだけで今まで周りにいた女はすぐに落ちたのに。

逃げられるとますます追いたくなるのが男の心情。

それに、あんな中年男に身体を触らせた彼女にイライラしていた。
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