腹黒王子の取扱説明書
冷静さをすっかり失った俺は怒りを麗奈にぶつけるかのように強引に彼女の唇を奪い、冷たく言い放った。

「隙を見せるからだ」

だから、あんな男に触られるんだ。

勝手に触れさせるな。

キスを終わらせると、すぐに通りがかったタクシーに麗奈を乗せ彼女の家まで送った。

車内ではお互い終始無言。

タクシーを降りる時も、俺の顔を全く見ずに彼女はマンションの中に入っていった。

「おお怖っ。そんな怖い顔で睨みつけるなよ」

須崎の声でハッと我に返る。

「お前が昨日俺の邪魔をするからだよ」

「長谷部が時計を見ながらイライラするんだ。楽しまないわけにはいかないだろ?」

「次やったら南アフリカにでも飛ばすよ」

俺は須崎に冷ややかな視線を向ける。
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